本日、モノやサービスの価格動向を示す3月消費者物価指数(CPI)が発表される。イラン情勢によるエネルギー高騰を背景に、市場は「強い結果」を予想。かろうじて成立した停戦が一時的な落ち着きをもたらしたが、不透明感は残る。暗号資産クジラはすでにポジション調整を開始している。
BeInCryptoのアナリストがオンチェーンのクジラ動向を追跡した結果、今回の発表直前に顕著な買い集めあるいは投げ売りが見られるトークンが3つ判明した。
4月CPI速報を控え、クジラによる大量買いが目立つ銘柄の中で、イーサリアム(ETH)の規模が際立つ。圧倒的な買い集めが他を圧倒する。
Santimentのデータによると、ETHのクジラウォレット残高は数時間で1億2293万ETHから1億2343万ETHに急増した。この増加分50万ETHは、新規買い1億900万ドル相当に相当。
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ヘッドラインCPIは、エネルギー価格が前月比10.6%急騰した影響で上振れが予想される。ただし、コアCPIは前月比0.3%と緩やかな伸びにとどまる見込み。大口投資家は、この「緩めの内容」がリリーフラリーを誘発すると見ている模様。
一方、イーサリアム財団は最近、4万5000ETHを売却ではなくステーキングに回し利回り獲得に舵を切った。この構造的な変化により、主要ネットワーク主体による売り圧力が低減し、強気なシナリオがより強化された。
日足チャートでは、ETHは下降チャネル内でカップアンドハンドル型を形成中。カップは1938ドル付近で底を打ち反発、ハンドルの上限線は2270ドル近辺のチャネルネックラインと重なる。単独の上抜けで両パターンを同時に示唆しうる。日足で2231ドルを明確に上抜ければ初期の強さを示す。
2270ドル突破の後に2300ドルを明確に回復すれば、パターンが有効化される。この水準は0.618フィボナッチレベルと一致し、再加速を裏付ける。
上値目標は19.15%上昇、ETHを2706ドル付近まで押し上げる計算。ただし、2162ドル下抜けならパターンの優位性は低下。1938ドル下回りで完全な無効化。
CPI発表前にクジラが買い増す動きが一部存在する一方、DeFi銘柄を手放す動きも。イーサリアムの10億900万ドル流入とは対照的に、ユニスワップ(UNI)は過去7日間で一貫してクジラの売り圧力が観測された。
Nansenのデータによれば、UNIクジラは過去1週間で保有量を2.48%減少させた。現時点で357万UNIに縮小。約9万UNIの売却に相当、現在価格3.14ドル付近での評価額は約28万3000ドル。DeFi全体が7日間で横ばい推移の中、投資家はUNI独自要因ではなくCPI発表のボラティリティを前にリスク回避を進めているようだ。
日足チャートも下落を示唆。UNIは3月13日の高値4.21ドル以降、ベアフラッグ内で推移。旗の下限3.01ドル付近で下値試し。その後リバウンドはみせるが重要な抵抗線は回復できていない。7日間のクジラ分配がこの弱気構造を裏付ける。
下限トレンドライン割れなら、想定下落幅は約28%。0.618フィボナッチ水準である3.08ドルを日足で下抜けると引き金。2.92ドルや2.72ドルで一時的な支えあり得るが、買い支えなければ目標値は2.20ドル近辺。
ただし3.44ドル上抜けでこの弱気構造に挑む。3.67ドル超えならベアフラッグは否定される可能性大。
チェーンリンク(LINK)は、過去数時間で急速にクジラによる買い増しが進み、アルトコインにおけるクジラの動きの一端を担っている。LINKのオラクルインフラは、DeFiプロトコルに価格データを提供しており、市場活動の活発化による恩恵を受けやすい立ち位置にある。
サンティメントのデータによれば、LINKクジラウォレットの保有枚数は6億600万枚から6億6191万枚に増加した。この189万LINKの買い増しは、新規購入額にして約1693万ドルに相当する。こうした蓄積傾向はETHクジラの動きと似ている。大口保有者は、コアCPIが緩やかな内容となれば、CPI発表がマクロ的な材料になると見ているようだ。
日足チャートでは、LINKは逆三尊(インバースヘッドアンドショルダー)のパターン内で推移している。右肩はすでに形成され、ネックラインは9.43ドル付近に位置する。ヘッドからネックラインまでの計測値をもとにした目標値は、約15.40%の上昇を示唆する。この場合、LINKは心理的節目である10ドルを超え、10.82ドル付近まで上昇する余地がある。
9.43ドルの水準を日足終値で回復すれば、ブレイクアウト確定となる。その場合、まず9.63ドルと9.89ドルが直近目標として意識される。一方、8.96ドルが直近の下値支持となる。8.68ドルを割り込むと右肩パターンが崩れるリスクがある。
ただし、LINKが8.19ドル(パターン全体のヘッド部分)を上回って推移する限り、このパターンの有効性は維持される。日足でこの水準を明確に下抜けた場合のみ、シナリオが完全に否定される。マクロ環境に不透明感が残るものの、CPI発表を控えて強気派には一定の安全余地が残る状況である。


