警視庁と奈良県警の合同捜査本部は16日、インドネシアを拠点に警察官を装った特殊詐欺に関与したとして、20代から50代の日本人の男13人を詐欺の疑いで逮捕した。インドネシアから強制送還された13人は同日午前8時半ごろ羽田空港に到着し、空港内で逮捕状が執行された。インドネシアを拠点とした特殊詐欺事件で日本人グループが摘発されるのは今回が初めてである。
逮捕容疑は2月中旬から3月上旬ごろにかけて、奈良県の60代女性に警視庁浅草署員らを装って「資金洗浄の疑いがかけられている。調査が必要」などとうその電話をかけ、計8回にわたり暗号資産「イーサリアム」計800万円相当を購入させ、男らが管理する口座に送金させて詐取したとされる疑いである。
男らはジャカルタ近郊の西ジャワ州ボゴールにあった拠点で活動していたとみられ、現地の出入国管理当局が3月に身柄を拘束した。拠点からは日本の警察官の制服やスマートフォン、タブレット端末などが押収されている。合同捜査本部は13人の認否を明らかにしておらず、グループがインドネシアに滞在していた経緯や組織の実態解明を進める方針だ。なお、日本経済新聞の報道によれば、13人のうち吉野富行容疑者(57)の氏名が確認されている。
特殊詐欺を巡っては近年、カンボジアなど東南アジアで拠点の摘発が相次いでいる。インドネシアを拠点とした日本人グループの摘発は今回が初めてとされ、警視庁特別捜査課は関西地方で被害が確認されている数件の事件にも男らが関与したとみて、実態解明を進めている。暗号資産を用いた特殊詐欺は資金追跡が難しく、海外拠点を活用した犯行形態が国際的な問題となっている。捜査当局は今後、現地当局との連携を通じ、同種の越境犯罪への対応を強化するとみられる。


