主要な上場ビットコイン(BTC)マイニング企業はすべて、人工知能(AI)への転換を発表している。これを受け、ネットワークのセキュリティへの影響をめぐり激しい議論が起きている。
カプリオール・インベストメンツ創業者のチャールズ・エドワーズ氏は、主要上場マイナーの平均BTC収益シェアが今後2~3年で90%から約30%まで低下するとするデータを公表した。
約12社の上場マイニング企業を追跡したところ、売上の80%以上をAI関連収益にターゲットとする企業の株価は、過去2年間で平均500%超の上昇を記録した。
AI収益目標が低い企業のリターンはその数分の一にとどまり、複数の企業では株価がマイナス圏に沈んだ。
多くの企業はビットコインマイニング機器のアップグレードや交換を予定していない。既存のASICを廃棄まで使い切り、今後の投資はAIインフラにのみ再投資する計画。
ビットコイン研究者のポール・スツォーク氏もこの懸念に同調した。同氏は、マイナー誌「MinerMag」が「エナジー・マグ」に名称変更したことや、ビットコイン2026年会議が「マイニングステージ」を「エナジーステージ」にリブランドしたこと、さらにMARAホールディングスが数年前にサイトからビットコインの言及を削除したことなどを指摘した。
ブロックストリームのアダム・バックCEOはこうした警鐘に反論した。同氏は、ハッシュレートが低下すれば生き残るマイナーの利益率が上昇し、結果的にマイニング利回りとAIワークロード利回りが均衡するまでアービトラージが働くと指摘した。
利益率が高まれば、マイナーがオペレーションコストのために売却するBTCも減る。バックCEOはこれを「正のフィードバック」と表現した。
利益率上昇自体は理にかなうが、この傾向がビットコインにとって健全かどうかが懸念点となる。全上場マイナーが方向転換し、エネルギー投資が低下することで、ネットワークのセキュリティ基盤が重要な時期に弱体化する恐れがある。
ビットコインのマイニング難易度は2026年3月に7.76%下落。ハッシュレートは年初の1ZH/s付近から870EH/s程度まで落ち込み、ネットワークから大規模な計算能力が流出していることを示している。
この議論は、数週間後にラスベガスで開催されるビットコイン2026年会議を前に高まっている。スツォーク氏は会場で、名称変更されたエナジーステージでマイニング撤退の解決策を提案する予定である。
