取引所と基盤チェーンでは、AscendEXの出金遅延、Baseのブロック生成停止、Sophonの停止が重なっています。利用者に近いインフラの停止は、市場価格以上に信頼へ影響します。
取引所・基盤障害の材料では、取引所の流動性、ブロックチェーンの停止、制裁対象市場との資金フロー、L2(Ethereumなどの基盤チェーンの外側で処理を軽くする補助ネットワーク)の移行が同時に浮上しています。
AscendEXでは、複数の利用者が出金遅延を訴えました。オンチェーン調査(ブロックチェーン上の取引記録を追う調査)で知られるZachXBT氏は、同取引所に流動性問題の可能性があると指摘し、準備金について説明するよう求めました。
取引所の出金遅延は、利用者にとって資産の引き出し可否に直結します。準備金の説明が焦点になるのは、取引所が顧客資産に対して十分な流動性を持っているかを利用者が確認したい局面だからです。
Coinbaseが育成したBaseでは、ブロック生成の問題によりネットワークが約2時間停止し、その後オンラインに復帰しました。BaseはEthereumのL2であり、取引をまとめて処理することで手数料や混雑を抑える役割を持ちます。
最初の停止では、無効なブロックがチェーンを停止させ、ネットワークは通常運用へ戻りました。この事案は、多くの主要ロールアップで取引順序を決めるシーケンサー(取引の並び順を管理する中核装置)の集中性にも関心を集めました。
Baseではその後、2日間で2度目となるブロック生成停止も発生しました。2度目の停止は金曜日15時33分UTCに始まり、B20トークン標準のメインネット有効化予定を数時間後に控えたタイミングでした。計画されたアップグレードの前に停止が重なったことで、基盤チェーンの安定性と運用体制が重要な論点になっています。
CoinExを巡っては、TRM Labsが、CoinExと60を超える制裁対象のイラン関連プラットフォーム群の間で38億4,000万ドル超の暗号資産フローを確認しました。CoinExは、制裁対象のイラン暗号資産市場を支援していた認識を否定しています。
この材料は、取引所の基盤リスクが技術停止だけでなく、制裁、資金移動、コンプライアンスにも広がることを示しています。取引所が利用者の出金に応じられるか、また不正・制裁対象の資金フローと距離を取れるかは、同じ「信頼性」の問題として扱われます。
Sophonは、zkSyncベースのL2チェーンを廃止し、消費者向けプロダクトスタジオ「Soph+」へ転換します。新体制では、CoinbaseのL2であるBase上だけで構築する方針です。
Sophonの旧チェーンは、ノード販売で6,000万ドルを調達した一方、日次利用指標は200未満にとどまりました。独自チェーンの運用を続けるよりも、既存の大規模L2に集中する判断です。ただし、Base側で停止が続いたタイミングと重なったことで、外部基盤へ依存する設計のリスクも見えています。


