BTCは5万8000ドル台まで下落し、ETF流出、オプション満期、レバレッジ整理が重なる相場になっています。一方で長期保有者の蓄積もあり、60,000ドル回復の有無が短期の分岐点です。
ビットコインは6月25日に一時58,189ドルまで下落し、その後60,000ドル前後まで戻しました。別の市場データでは、安値は58,319ドル付近、反発後の上値は60,621ドル付近に位置しており、58,000ドルから58,300ドルの帯が短期の下値確認ラインになっています。
60,000ドルは心理的な節目であるだけでなく、6月26日のオプション満期を前に大きな建玉が集中していた水準でもあります。60,600ドルから61,000ドルを回復できるか、さらに62,000ドルを上回れるかが、今回の下落を一時的な振り落としと見るか、下方向のレンジ移行と見るかの分岐点です。
一方で、58,000ドルを明確に割り込み、その水準を下回ったまま推移する場合、次の下値目安として53,000ドルから54,000ドル、より弱い展開では50,000ドル台前半が意識されます。60,000ドルを奪回できない時間が長くなるほど、従来の支持帯が上値抵抗に変わるリスクが高まります。
米国の現物ビットコインETFからは大きな資金流出が続いています。6月24日から25日にかけては11億ドル超の流出があり、別集計では6月22日に6,830万ドル、23日に1億1,380万ドル、24日に4億6,900万ドルが流出し、3営業日合計で約6億5,110万ドルに達しました。
6週間では約59億4,000万ドルが米国の現物ビットコインETFから流出し、30日間では63億5,000万ドル規模の資金流出が示されています。ETF全体の運用資産は1,040億ドル超から約800億ドルへ低下し、累計純流入額も昨年10月の約630億ドルから約534億ドルへ縮小しました。
6月26日のDeribitのビットコインオプション満期では、106億ドル超の建玉が満期を迎えました。その約80%はアウト・オブ・ザ・マネーで、最大損失価格は70,000ドル台前半にありました。現物価格が60,000ドル近辺にあるなか、上方に取り残されたポジションが市場の重しになっていました。
ビットコインが60,000ドルを下回った後、暗号資産先物では24時間で約10億ドル規模の清算が発生し、ロング側が大きく巻き込まれました。別の集計では、58,000ドル台への下落時に12億ドル超のレバレッジロングが損失を受けました。
過剰なロングの整理は短期的な売り圧力を強める一方で、ポジションの軽量化という意味も持ちます。ビットコインの市場占有率は55%前後で推移しており、下落局面でも資金が中小型アルトコインから相対的に流動性の高い主要銘柄へ寄る動きが見られます。
長期保有者の動きは、ETF投資家の解約とは対照的です。155日以上保有する長期保有者は1,664万BTCを保有し、流通量の約83%に相当します。大型ウォレットの蓄積傾向を示す指標は最大値の1に達し、6月5日以降には59,000ドルから67,000ドルの範囲で25万9,298BTCの純購入が示されています。
5月のPCEは総合が前年比4.1%、コアが前年比3.4%でした。コアPCEは米連邦準備制度理事会の2%目標を上回っており、6月のFOMCでは政策金利が3.50%から3.75%に据え置かれました。18人中17人の参加者がインフレ不確実性を通常より高いと判断し、利上げ確率も高止まりしています。
株式市場ではAI関連の資金吸引力も強く、米半導体株は過去1年で約170%上昇した一方、ビットコインは同期間で約40%下落しました。ETFからの資金流出、ドル高、金利見通し、AI株への資金集中が重なり、ビットコインは流動性に敏感なリスク資産として扱われています。
上方向では62,000ドルの回復が最初の確認点で、その後は66,000ドルから67,000ドル、70,000ドルから75,000ドル、さらに82,000ドルから85,000ドルの上値帯が段階的な焦点になります。下方向では58,000ドルの終値割れが続くか、ETF流出が再開するか、ドル高が強まるかが重要です。
7月入り前の市場は、58,000ドルの維持、60,600ドルから61,000ドルの奪回、62,000ドル突破の順に強弱を測る局面です。ETF流出が落ち着き、オプション満期後の建玉整理が進めば反発余地が生まれますが、資金流出と金利警戒が残る限り、上値の回復は段階的になりやすい状況です。


