Ethereum周辺では、古いETHウォレットの売却、ETF流出、ショートポジションが重なり、DeFi基盤への見方が揺れています。SharpLinkのETH流入など、支えとなる資金の動きも焦点です。
Ethereum市場では、長期間動いていなかったウォレットの売却が、1,500ドル台の買い需要を試す材料になっています。約8年前に37,602ETHを受け取った4つのウォレットは、これまで大きな含み益を抱えたまま静かにしていましたが、そのうち33,623ETH、約5,250万ドル相当を移動しました。平均価格は約1,560ドルで、ETHは当時1,575ドル近辺で取引されていました。
別の市場データでも、古いEtherウォレットによる37,806ETH規模の移動が示され、長期保有の大口投資家の収益性は2019年以来初めてマイナスに転じました。これは、単なる短期トレーダーの売りではなく、長く保有していた投資家が低い価格帯で供給側に回ったことを意味します。
古い供給が市場に出ると、反発には新しい買い手が必要になります。1,500ドル台は価格水準であると同時に、ETHを長期保有者の売りごと吸収できるかを測る需要テストになっています。
米国の現物ETH ETFは、6月22日から6月26日まで純流出を記録しました。ETFは機関投資家の買い需要を見えやすくする経路ですが、その流れが弱まると、古いウォレットから出たETHを吸収する力も弱くなります。
デリバティブ市場でも弱気材料があります。2025年10月の急落局面でショートを仕掛けた大口投資家が、1,970万ドル規模のETHショートを再び建てました。ETHのテクニカル面では1,375ドルまでの下落余地が意識されており、その水準に近づく場合、このショートの未実現利益は239万ドル規模に膨らむ可能性があります。
ETF流出、古いウォレットの売却、大口ショートは、それぞれ別の経路からETHの需給に圧力をかけています。反発が続くには、売り手の減少だけでなく、ETF、直接購入、企業保有、DeFi利用者などからの新しい現物需要が必要です。
弱い地合いの中でも、企業保有の動きは残っています。企業のETH保有で2番目の規模を持つSharpLinkは、木曜日に5,000ETH、約785万ドル相当を受け取りました。これは10月以来初めてのETH流入です。
SharpLinkは一方で、約18億ドルの含み損を抱えています。新たなETH流入は、価格下落の中でも企業保有戦略が完全には止まっていないことを示しますが、含み損の大きさは、企業の財務戦略としてETHを持つ難しさも示しています。
5月にはSharpLinkのJoseph Chalom CEOが、ETH価格を押し上げ得る3つの触媒に言及しており、その一部は実現し始めています。企業保有、ETF需要、ネットワーク利用が同時に強まる場合、ETHの買い手層は厚くなります。現時点では、そのうち企業保有の一部に動きが出ている段階です。
Ethereumには、価格面の弱さを支えるオンチェーン基盤(ブロックチェーン上で直接処理される利用基盤)があります。Ethereum上のDeFi TVLは約372億ドル、ネットワーク上のステーブルコインは1,550億ドル超です。DeFi TVLは、分散型金融に預けられた資産規模を示す指標で、ステーブルコイン残高は取引や決済に使える流動性の厚さを示します。
ただし、ネットワークの強さとETHへの買い需要は同じではありません。DeFi、DEX(ブロックチェーン上で動く取引所)、ステーブルコイン、決済活動が強くても、古いウォレットから出たETHを短期で吸収できるとは限りません。
さらに、Ethereum Foundationが一歩引く中で、Ethereumには新しい資金提供機関を早く作る必要があるという問題提起も出ています。ネットワークの開発や公共財を支える資金制度が弱くなると、エコシステム全体の持続性に関わります。
ETHの次の焦点は、1,500ドル台で現物需要が厚くなるか、ETF流出が止まるか、企業保有やDeFi利用が価格需要に結び付くかです。Ethereumの基盤は依然として大きいものの、市場はその基盤が売り供給を吸収する買いに変わるかを見ています。


