Bitcoin財務企業のEmpery Digitalが、保有BTCのほぼ半分にあたる1,400BTCを売却し、AIデータセンター案件などに資金を振り向けました。2025年に広がった企業のBTC財務戦略が、資金調達環境とAI投資需要の中で見直されています。
Empery Digitalは、1,400BTCを1枚あたり平均62,200ドルで売却し、8,710万ドルの資金を得ました。売却後も同社は1,514BTCを保有していますが、追加でBTCを積み増す計画はなく、機会があればさらに売却する可能性も示しています。
別の市場データでは、同社のBTC保有は48%減少し、残る1,514BTCの評価額は約9,700万ドルでした。同社は過去に最大4,081BTCを保有しており、3月と4月にも一部を手放していました。
株式市場では、売却発表後の金曜日、Empery Digital株がNasdaq取引開始後35分以内に4.2%上昇して3.95ドルを付けました。その後は3.86ドルまで戻し、終値では1.58%高でした。
売却資金は、Midwestの産業施設をAIデータセンターへ転換する案件に使われます。Empery Digitalは、Hunt Properties関連の事業体が取得する施設について、25%持分の取得に6,500万ドルが必要だとしていました。
同社は、もともと電動パワースポーツ車メーカーとして事業を行っていた企業で、2025年半ばにBitcoin中心の財務戦略へ転換しました。今回の資金配分では、AIデータセンター案件に加えて、1,000万ドルを未返済債務の返済にも充てています。
AIデータセンターは、大規模な計算資源を提供する施設です。Empery Digitalは、今後も大型クラウド事業者の需要を前提にした類似案件へ資本を振り向ける方針を示しています。
Empery Digitalの転換には、株主からの圧力も重なっています。約10%近い株式を持つTice P. Brown氏は、BTC購入戦略の撤回とCEOおよび取締役会の退任を求めていました。
2025年には、SPAC(上場済みの買収目的会社)を使ってBitcoin財務企業が相次いで登場しました。しかし、その多くは2025年高値から株価が90%以上下落し、BTC保有を成長の中心に置く戦略の持続性が問われています。
同じ流れの中では、Strategyも今月、3,588BTCを2億1,600万ドルで売却し、優先株の配当支払いに充てました。企業がBTCを保有するだけでなく、AIインフラ、債務返済、配当などへ資金を再配分する動きが広がっています。


