予測市場では、Polymarketの規制照会とベンダー侵害、Kalshiの大型評価額、Metaの提携検討が重なっています。市場拡大の速度に、規制と安全性の対応が追いつくかが焦点です。
予測市場は、政治、スポーツ、経済イベントなどの結果を対象に、参加者が確率を取引する市場です。2026年6月28日の材料では、Polymarket、Kalshi、Metaを軸に、規制照会、セキュリティ、資金調達、提携検討が同時に動いています。
Polymarketでは、広告やインフルエンサー施策を巡る問題がCFTC(米商品先物取引委員会)の監督能力と結びついています。米上院議員のJohn Curtis氏とAdam Schiff氏は、CFTC議長のMichael Selig氏に対し、Polymarketの有料インフルエンサー施策や「偽の賭け」キャンペーンについて当局が調査しているかを確認する書簡を送りました。
一方で、17人の民主党上院議員は、州のギャンブル規制で予測市場プラットフォームを扱おうとする州に対し、CFTCが訴訟を進めるための資金を止めるよう、上院歳出小委員会に求めました。予測市場の扱いは、連邦の商品規制と州のギャンブル規制の境界にまたがる論点になっています。
Polymarketでは、第三者ベンダーの侵害を通じてウェブサイトに悪意あるコードが注入され、利用者の暗号資産が約300万ドル規模で流出しました。Polymarketは侵害を封じ込め、影響を受けた利用者へ返金する方針を示しています。
今回の事案は、予測市場そのものの取引設計だけでなく、ウェブサイトのフロントエンド(利用者が直接操作する画面部分)や外部依存部品の管理も、利用者資金の安全性に直結することを示しました。規制照会とセキュリティ対応が同時に起きたことで、Polymarketには利用者保護とマーケティング管理の両面で説明責任が重なっています。
Kalshiは、約400億ドルの評価額で新たな資金調達を協議しています。この水準は、7週間前に完了した約220億ドル評価の調達ラウンドから、ほぼ倍に近い評価です。
同社は、FIFA World Cupを使った高い露出のマーケティング施策も進めています。予測市場の取引量が過去最高水準に達する中で、Kalshiは資金調達とブランド露出を同時に拡大し、一般層への接点を増やそうとしています。
Metaでは、Mark Zuckerberg氏が上級幹部に対し、PolymarketやKalshiとの提携を検討するよう促しています。Meta側では、Arenaというコードネームの競合予測市場アプリ構想も材料になっています。
大手テック企業が予測市場との接点を探る動きは、予測市場が暗号資産や金融取引の周辺領域にとどまらず、SNS、広告、スポーツ、エンターテインメントの利用体験へ広がる可能性を示しています。同時に、広告表示、利用者保護、州規制との関係が、成長の前提条件になっています。


