Rippleは2020年のSEC訴訟後、会社を閉じてXRPを株主へ配る案を検討していました。現在はXRPLの機関利用が広がる一方、XRP先物建玉やETF資金フローは需要の後退を示しています。
RippleのBrad Garlinghouse最高経営責任者は、2020年にSEC(米証券取引委員会)から訴えられた後、共同創業者Chris Larsenと会社の清算を検討した経緯を明かしています。案の中身は、Rippleが保有するXRPを株主へ比例配分し、会社を解散するというものでした。
最終的にRippleは訴訟を続ける道を選びました。Garlinghouseは、この判断が数百人規模の雇用を守ることにつながった一方、4年間で約1.5億ドルの法務費を要したと説明しています。
その後、連邦判事Analisa TorresはXRPそのものを証券ではないと判断しました。訴訟はSEC指導部の交代後、昨年5月に和解へ進みました。企業の存続判断とトークンの法的位置づけが、Rippleの現在の事業戦略を形作っています。
XRPの市場指標は、企業側の再設計とは別に需要の弱さを示しています。米国の現物XRP ETF(上場投資信託)は7月10日までの週に約720万ドルの純流出となり、9週間続いた資金流入が止まりました。この9週間で流入した金額は約2億ドルです。
先物建玉(未決済の先物残高)も縮小しています。世界のXRP先物建玉は6月の約30億ドルから7月中旬に約23億ドルへ低下しました。Binanceでは6月中旬の5億ドル超から7月10日に3.99億ドルへ減っています。
ロング清算は前週比94%増え、3カ月平均を172%上回りました。ファンディングレート(先物のロングとショートのバランスを調整する手数料)は同じ週に266%上昇しており、残った強気ポジションの維持コストが上がっています。
XRPL側でも、広い利用者参加は弱まっています。アクティブウォレットは25,350件にとどまり、2026年で2番目に静かな水準でした。新規ウォレット作成は2,130件で、2024年11月以来の低水準です。
一方で、既存サービスの活動は残っています。取引所や決済事業者が共有口座の利用者を識別するソースタグ付き取引は28.6%増え、ソースタグ数も13%増えました。取引件数は前週比と前月比で3%から4%増えたものの、3カ月平均を約21%下回っています。
機関向けの材料は別にあります。XRPLに関連するトークン化RWA(現実資産をブロックチェーン上で扱う仕組み)は、500超の商品にまたがり約40億ドル規模です。提案中のXLS-96は、残高や送金額を外部に見せずに検証できる秘匿送金をMulti-Purpose Tokensへ導入する構想です。
5月にはOndo Finance、Ripple、Mastercard、JPMorganのKinexysが、トークン化米国債商品の越境償還を完了しました。トークン化資産の処理はXRPL上で5秒未満に収まり、ドル側の支払いはJPMorganの銀行ネットワークを通りました。市場需要の後退と機関利用の拡大が、現在のXRPとXRPLを分ける主要な対比です。


