UBSのトークン化マネーマーケットファンド「uMINT」が、Bybit上の機関投資家向け担保として実運用に入りました。RWAが発行・保有の段階から、取引所の証拠金や資金効率に関わる実用段階へ進む事例です。
UBSのトークン化マネーマーケットファンド「uMINT」が、Bybit上の機関投資家向けオフ取引所決済担保として使われ始めました。シンガポール拠点の定量投資ファンドCalais Digital Assetsが、2026年6月18日にuMINTを実運用へ投入した形です。
仕組みは、発行済みのRWAを単に保有する段階から、取引担保として使う段階へ進んだ点にあります。DigiFTがuMINTへの規制準拠アクセスと配布を担い、ByCustodyが資産を保管し、Bybitがそのカストディポジションを取引所証拠金として認識します。資産はByCustodyに留まりながら、Bybit上の証拠金として機能します。
従来のマージン担保では、現金やステーブルコインを取引所に置くことで、資産の利回りが止まりやすくなります。uMINTを使うモデルでは、CalaisがMMF由来の利回りを維持しながら、同じポジションを取引担保として活用できます。RWAの実用性は、発行額の大きさだけでなく、担保、清算、資金効率の中で使えるかに左右されます。
uMINTの規模は2026年6月21日時点で総資産約1,870万ドル、176,116トークン、29ホルダーです。大規模商品ではありませんが、小規模な段階で取引所担保として動き始めたことは、RWAの実装面では重要です。
uMINTはUBS資産管理のシンガポール拠点が運用するEthereum ERC-20形式のMMFで、2024年11月にUBS初のトークン化投資ファンドとして設立されました。2025年10月には、Bybit、DigiFT、uMINTの機関投資家向け担保アクセス提携が発表され、今回の実運用につながっています。
今後の焦点は、ヘアカット率、評価頻度、証拠金コール時の清算手順です。RWAを担保に使うには、価格評価と流動性、カストディの責任分担を明確にする必要があります。uMINTの事例は、トークン化MMFが取引所の資金効率を改善する可能性を示す一方、清算時の実務設計が普及の条件になることも示しています。


