米上院の民主党議員5人が、トランプ氏の暗号資産関連収入と政策判断の関係を調べる公聴会を求めました。CLARITY Actの上院審議では、デジタル資産市場の制度設計だけでなく、大統領の利益相反をどう扱うかも争点になっています。
米上院の5つの委員会・小委員会で民主党の筆頭委員を務める議員らは、トランプ氏の暗号資産保有が国家安全保障に与える影響を調べる公聴会を求めました。対象には、UAEと関係する主体や身元の不明な第三者が大統領の行動に与えた影響が含まれます。
焦点の一つは、2025年の財務開示に記載された暗号資産関連収入です。トランプ氏は、自身のメームコインや家族が関わるWorld Liberty Financialなどの事業に関連し、約14億ドルの収入を得た形になっています。暗号資産利益を12億ドル超と見る集計もあり、開示額の読み方には幅があります。
民主党議員側は、この収入規模がデジタル資産市場法制の審議と同時に存在する点を問題視しています。争点は、暗号資産業界に有利な法案を大統領が後押しする構図に、利益相反の懸念が生じるかどうかです。
上院では、デジタル資産市場の監督枠組みを定めるCLARITY Actの採決が7月中に見込まれています。CLARITY Actは、暗号資産市場でどの当局がどの資産を監督するかを整理する法案です。
共和党は法案通過を進めていますが、上院でフィリバスターを終わらせるには60票が必要です。共和党だけでは足りないため、一部民主党の協力が不可欠になります。
そのため、民主党側が倫理条項や監督手続きを求める動きは、法案の中身だけでなく採決戦略にも影響します。共和党のCynthia Lummis氏は通過を後押しする一方、下院金融サービス委員長のFrench Hill氏は、トランプ氏と暗号資産業界の関係が法案通過をより複雑にしているとの見方を示しています。
同じ時期に、米連邦準備制度が中央銀行デジタル通貨(CBDC、中央銀行が発行するデジタル版の通貨)を発行または作成することを2030年12月31日まで禁じる条項も動いています。この条項は超党派の住宅法案に含まれ、トランプ氏が署名せず拒否権も使わないことで、10日間の期限後に自動的に法律になります。
CBDC禁止とCLARITY Actは別の法案ですが、どちらも米国のデジタル資産政策を左右する材料です。上院民主党の公聴会要求は、市場構造法案の審議を単なる規制設計ではなく、大統領の暗号資産収入と政策判断の関係を問う監督案件へ広げています。


