香港、保険会社の資本規制強化を受け仮想通貨リスクに着目

香港が保険会社の資本規制強化を受け仮想通貨リスクに着目

香港は、インフラ投資や規制対象ステーブルコインへのエクスポージャー拡大を推進する一方で、仮想通貨100%手数料を含む保険会社の資本規制強化を受けて仮想通貨リスクに着目している。

IA（Insurance Authority：香港保険業監管局）は、保険会社が仮想通貨、ステーブルコイン、インフラプロジェクトに資本を配分することを可能にする法案の草案を発表。この草案は、保険資金を政府が優先するセクターに振り向ける初の事例となる可能性がある。この規則案では、仮想通貨には100%のリスクチャージが課され、ステーブルコインへの投資はペッグされた法定通貨に基づいて評価される。

IAは、仮想通貨に対する資本要件を大幅に引き上げる一方で、インフラ投資へのインセンティブを提供する新たな枠組みを準備している。この提案は、香港のリスクベース資本制度の広範な見直しの一環であり、香港がデジタル資産と長期的な地域金融の規制対象ハブとしての地位を確立し続けている中で発表された。

これらの変更が採択されれば、保険会社が仮想通貨、ステーブルコイン、香港と中国本土に関連する大規模開発プロジェクトに資本を配分する方法に直接影響を与えることになる。

意見公募期間は2026年2月から4月までが予定されており、その後、この枠組みは立法府の審査を受ける。IAの広報担当者は、リスクベースの資本枠組みは、保険セクターを支援すると同時に、より広範な経済発展にも貢献することを目的としていると強調した。

仮想通貨市場における保険資本の配分方法に新たな変化が生じる可能性も

IAはこの提案に基づき、保険会社が直接保有する仮想通貨に100%のリスク賦課を適用する予定であり、保険会社はこれらのエクスポージャーを全額資本で裏付けなければならない。

裏付けのない仮想通貨は、保険会社のバランスシート上で最もリスクの高い資産として扱われることになる。また、このアプローチは、仮想通貨市場における価格変動、流動性リスク、そして評価の不確実性に関する長年の規制当局の懸念を反映している。

しかし、この枠組みでは、仮想通貨とステーブルコインを区別しており、ステーブルコインへのエクスポージャーは、自動的に同じ扱いを受けるわけではない。資本賦課は、法定通貨とのペッグの強さと構造、ステーブルコインが香港の規制体制の下で発行されているかどうかによって決まる。

IAの提案が最終決定されれば、仮想通貨市場およびインフラ市場における保険資本の配分方法に新たな変化が生じる可能性がある。関係者はこの規則により、保険会社にとって新たな投資の道が開かれるとともに、香港がデジタル金融と大規模インフラ開発のハブとしての地位を強化する可能性があると指摘している。