予測市場Kalshi、社内調査部門を設立

Kalshiがライブ市場データに基づく調査部門を立ち上げる

人気予測市場（Prediction Market）プラットフォームのKalshi（カルシ）は、社内調査部門を設立し、インフレ予測がウォール街の予想を上回ったことを示すデータを公開した。

2025年12月22日（月曜日）、Kalshiは自社の予測市場に関するデータを正式な予測シグナルに変換することを目指した専用の社内調査部門「Kalshi Research（カルシ・リサーチ）」の設立を発表。この部門は、研究者にKalshiのプラットフォームデータへのアクセスを提供する。

同社は、このデータを世界最大かつ最も詳細な予測市場活動のデータセットと表現。また、世界最大規模の規制対象予測市場データリポジトリを運営しており、今回の取り組みは、OpenAI（オープンAI）やAnthropic（アンソロピック）といったAI（人工知能）企業の調査部門と類似。Kalshiを研究ハブとしての地位を確立することを目指し、市場運営者としてだけでなく、経済分析や政策分析のためのデータソースとして位置付けている。

また同社は、サービス開始に合わせて、「予測市場カンファレンス」の開催も発表。学者、トレーダー、予測者、市場参加者を集めて新たな研究結果を発表する事を明らかにした。ハーバード大学、スタンフォード大学、イェール大学、シカゴ大学の研究者が既に参加を表明している。

事業拡大でカイシンし続けるKalshi

Kalshiは、サービス開始と同時に、自社のインフレ市場予測とウォール街のコンセンサスを比較した初の社内調査を発表。

調査によると、同社の予測は従来の経済予測を全体で40.0%上回り、公式インフレ発表の1週間前に測定したところ、カルシの予測はウォール街の予測と85.0%の確率で一致または上回った。この結果は、サプライズ予測においても高い精度を示し、変動の激しい時期における平均絶対誤差を50.0%削減。市場がストレス下にある際に優れたパフォーマンスを発揮することを示唆している。

同社は、これらの研究結果はトレーダーだけでなく、インフレやマクロ経済状況の急激な変化に備える政策立案者や経営幹部にとっても、同社のデータに役立つと主張している。

同社は現在、事業領域を拡大し続けており、米国の大手仮想通貨取引所コインベース（Coinbase）は同社を活用した予測市場の展開を準備。また、同社は最近、Crypto.comと予測市場連合（Coalition for Prediction Markets）を設立しており、国際的な展開計画も進行中で、1年半（18カ月）以内に複数の国でサービスを開始することを目指している。