カルダノ(Cardano/ADA)の創設者チャールズ・ホスキンソン氏は2025年12月21日、Midnight(ミッドナイト)のネイティブトークンNIGHTについて、「ADAを売却してNIGHTに移行すべきか」との問いに対し、この前提は誤りだとの見解を示しました。
ホスキンソン氏は、その理由として「MidnightはADAを拡張するものであり、両者は異なる役割を持つ補完関係にある」と説明しています。
同氏は、補完関係の具体例として、Midnightがカルダノのアプリケーションにプライバシー機能を付加し、ADAが基盤ネットワークのセキュリティ維持を担うと述べました。
また、ADA保有者はMidnight立ち上げ時に優先参加でき、NIGHTトークンのエアドロップで最大の割当を受けるとしています。
これらを踏まえ、ホスキンソン氏は「NIGHTの登場によってADAの価値が毀損される」との見方を否定し、ADA保有を続ける意義を強調しました。
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ホスキンソン氏の発言の背景には、Midnight(ミッドナイト)と新トークンNIGHTの登場を受け、カルダノエコシステム内の価値配分を巡る懸念が一部投資家の間で広がっていた状況があります。
プライバシー特化型チェーンとして設計されたMidnightが独自トークンを採用したことで「今後の成長の中心はADAではなくNIGHTに移るのではないか」との見方がSNSやコミュニティで浮上しました。
こうした価値配分を巡る懸念が強まった要因として、2024年から2025年にかけて、カルダノは技術開発を継続する一方、価格面では他のレイヤー1や新興プロジェクトと比較して伸び悩んでいるとの評価もあります。
この状況下でNIGHTがエアドロップや高い取引高を伴って注目を集めたことで「ADAを保有し続ける意味はあるのか」「NIGHTへ移行すべきではないか」といった短期的な資金移動を前提とした議論が生まれました。
こうした投資家側の議論を受ける形で、ホスキンソン氏は動画内で「ADAをすべて売るべきか」という問いに対し、前提そのものが誤っていると指摘しました。
同氏は、MidnightはADAを置き換える存在ではなく、カルダノを拡張するインフラ層であり、両者は競合ではなく補完関係にあるとの立場を明確にしています。
これらの説明の中で、同氏はMidnightを「プライバシー分野のChatGPT」と表現し、カルダノにプライバシー機能を付加するブロックチェーン間インフラだと位置付けました。
この新レイヤーにより、カルダノ上の分散型アプリケーション(DApp)は高度なプライバシー機能を利用でき、他チェーンにはない付加価値を提供できると述べています。
その上でホスキンソン氏は、大規模な他チェーンのDEX(分散型取引所)は保守的で対応が遅い傾向があるとし、カルダノエコシステムの方がプライバシー機能を先行して実装することで競争優位を確立できるとの見解を示しました。
この点については、既存の市場構造を崩す余地があると同氏は説明しています。
さらに、ビットコイン(BTC)などの主要資産は利回りを求めて移動する性質があるとし、カルダノがMidnightを通じてプライバシー保護された利回り環境を提供できれば、ビットコインやXRPなどの資金がDeFi(分散型金融)領域に流入する可能性があると述べました。
エコシステム強化策としては、大手ステーブルコインの導入も重要な位置付けとされています。
ホスキンソン氏は、米ドル連動型ステーブルコインをカルダノに導入し、Midnight上でプライバシーを重視したステーブルコインを展開する計画が進行中であることを明かしました。
こうした取り組みが進めば、カルダノのDeFi規模が大きく拡大する可能性があるとの見方が示されています。
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こうした構想の進展を背景に、NIGHTトークンは2025年末時点で市場において急速に存在感を高めています。
ホスキンソン氏によれば、取引開始直後にNIGHTは1日あたり約18億ドル(約2,800億円)の取引高を記録し、時価総額も約10億ドル(約1,560億円)規模に達したといいます。
現在、約150万アドレスにNIGHTが配布されており、それが活発な取引につながっていると同氏は分析しています。
Midnightのメインネット稼働は2026年に予定されており、ホスキンソン氏はカルダノのDeFiがさらなる成長軌道に乗る見通しを示しています。
大手ステーブルコインの受け入れやMidnight上でのプライバシー金融商品の展開など、エコシステム拡張に向けた取り組みが着実に進められています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=156.16 円)
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Source:Discover Cryptoポッドキャスト
サムネイル:AIによる生成画像


