● 英銀大手のStandard Chartered(スタンダード・チャータード)は、ビットコイン(BTC)は底を打つ前に5万ドルまで下落する可能性があると警告している。
● ETFの運用資産総額(AUM)は、機関投資家が資金を引き出したことでセンチメントを圧迫し、1000億ドルを下回った。
● 量子耐性アップデートと、Binance(バイナンス)が10億ドル規模の顧客保護基金(SAFU)をビットコイン建てに転換したことが、弱いセンチメントの中で短期的な下支え材料となっている。

スタンダード・チャータード、「最終的な投げ売り局面」を警告

ビットコインは2月11日、今週の最安値6万6370ドルまで下落した。AI主導のディスラプション(創造的破壊)懸念が米テック株を圧迫し、その影響が暗号資産(仮想通貨)市場にも波及した。投資家は新たなインフレ指標にも身構えていたが、1月の強い雇用統計を受けて短期的な利下げ期待は後退した。

こうしたタカ派的な環境と、米国とイランの間で再燃した地政学的緊張を背景に、英銀大手Standard Chartered(スタンダード・チャータード)のデジタル資産リサーチ責任者のジェフリー・ケンドリック氏は、年内に底値に到達する前にもう一段の下落があるし、以下のように警告した。

「デジタル資産価格は、さらなる痛みと最終的な投げ売り局面を迎えると考えている」

同行は現在、今後数カ月にビットコインは5万ドル付近、イーサリアムは1400ドル付近まで下落した後、2026年後半に反発する可能性があると見ている。

年末時点の予想については、ビットコインは10万ドル、イーサリアムは4000ドルという価格を維持しているが、これまでの上振れ目標だったビットコイン15万ドル、イーサリアム7500ドルは引き下げた。

Bloombergによると、スタンダード・チャータードは2026年のSOL、XRP、BNB、AVAXに関する予測も下方修正している。これは、主にBTCとETHの見通し修正に連動した調整だ。

この慎重な見通しを裏付ける材料として、ケンドリック氏は2025年10月以降、ビットコインETF保有量が約10万BTC減少していると指摘した。また、多くのビットコインETF購入者が9万ドル付近で参入しており、現在は大きな含み損を抱えていると強調した。

alt 〈2025年10月から2026年2月までのビットコインETFの資金フロー〉

ビットコインが昨年10月のピークから下落して以降、ETFの資金フローは大きく落ち込んでいる。2025年11月には、ビットコインETFで月間最大となる31億6000万ドルの資金流出が記録された。2026年1月にも7億8000万ドルの流出が発生したが、2月は月半ばを迎える時点で1億2000万ドルの純流入が記録され、初期的な安定の兆しも見られる。

しかし、急速な資金流出と年初来25%の価格下落を受け、ビットコインETFの運用資産総額(AUM)は約1年ぶりに1000億ドルを下回った。

量子耐性アップデートとBinanceの10億ドルのSAFU転換が構造的信頼感を補強するか

ビットコインは9万ドルから6万6000ドル近辺まで急落し、レバレッジ清算が相次ぐなかで複数のサポート水準を割り込んだ。しかし、量子耐性アップデートと、Binance(バイナンス)が10億ドル規模の顧客保護基金(SAFU)をビットコイン建てに転換したという直近の構造的な動きは、日中のパニック主導のナラティブに対する一定のカウンターバランスとなった。

12日、Pay-to-Merkle-Root(P2MR)の導入が盛り込まれたビットコイン改善提案(BIP-360)の改訂版が公表された。BIP-360は、量子計算に対して脆弱とされるTaprootキーパス支払いを排除しつつ、既存のTapscriptやスクリプトツリーとの互換性を維持するものだ。

世界最大級のビットコインマイナーであるMARAに支援され、サイドチェーンを通じてビットコイン向け量子耐性ソリューションを開発する研究特化型プラットフォームAnduroBTCは、この動きを量子耐性に向けた意味ある一歩と評価した。

量子リスクは依然として長期的な懸念であり、直ちに市場を動かす材料ではないが、マクロ環境が不安定な局面においてもプロトコル開発が前向きに進められていることを示すシグナルとなっている。

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〈10億ドル規模のSAFU転換を受け、BinanceのネイティブトークンBNBは1.3%反発|CoinMarketCap〉

一方、Binanceは11日、顧客保護基金であるSAFU(Secure Asset Fund for Users)に関する最終アップデートを公表し、弱い市場センチメントの中で透明性を強調した。

Binanceは4545BTCの最終取得を実施し、SAFUの総保有量は1万5000BTCに達した。平均取得価格は6万7000ドルで、評価額は約10億500万ドルとなる。市場変動によってSAFUの評価額が8億ドルを下回った場合、準備金を再び10億ドル水準に回復させると誓約している。

また、BinanceはSAFUの公開ウォレットアドレスを開示し、最新のトランザクションハッシュを共有した。これにより、暗号資産とステーブルコインの混合準備金から、ビットコインのみで裏付けられた準備金への移行が確認された。

だが、こうしたニュースも、ビットコインの6万ドル台への下落を止めるには至らなかった。しかし、BinanceのネイティブトークンであるBNBは好反応を示し、記事執筆時点で1.3%上昇、614ドル近辺で取引されている。

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