この記事の要点
米資産運用大手ブラックロックのアジア太平洋地域iShares責任者ニコラス・ピーチ氏が、アジアの標準的な投資ポートフォリオに仮想通貨を1%組み入れた場合、約2兆ドル(約300兆円)の資金流入につながる可能性があるとの試算を示しました。
CoinDeskによると、同氏は2026年2月11日に香港で開催されたパネル討議で、この試算はアジアの世帯資産総額がおよそ108兆ドル(約1.6京円)に上ることを前提とした単純計算であると説明しました。
同氏が強調したのは、仮想通貨を独立した投資対象としてではなく、標準的な資産配分モデルの一部として組み込む動きが広がっている点です。
なお、この「1%」は地域全体の資産配分を想定したものであり、特定の投資家に具体的な投資行動を求めるものではないとしています。
ピーチ氏は、規制対応済みのETF(上場投資信託)が既存の証券口座を通じて組み入れ可能な商品として、こうした資産配分モデルの導入を後押しするとの見解を示しました。
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ピーチ氏は、今回の発言が単なる市場規模予測ではなく、資産配分モデルの構造変化を前提とするものであると説明しました。その根拠として、アジア太平洋地域の家計資産が約108兆ドルに上る点を挙げています。
この規模を前提に標準的ポートフォリオへ仮想通貨を1%組み入れた場合、理論上は約2兆ドル規模の資金動員が可能になるとの見方を示しました。
なお、この試算は地域全体の資産総額を基礎とした仮定であり、個別投資家への投資推奨ではないと明確にしています。
こうした資産配分の実装手段として、ピーチ氏は規制対応済みの仮想通貨ETFの役割を強調しました。
同氏は、金融アドバイザーや機関投資家が採用する分散投資フレームワークにおいて、ETFは既存の証券口座やコンプライアンス体制内で扱える商品であると述べています。
ブラックロックが運用する米国上場のスポット型ビットコインETF(IBIT)は、2024年1月の設定以降、運用資産残高が約530億ドル(約7.4兆円)に達しており、その資金流入にはアジア投資家の参加も含まれています。
同氏は、こうした事例が仮想通貨を既存の金融インフラ経由で組み入れる動きの進展を示していると述べました。
さらにピーチ氏は、香港や日本、韓国などで仮想通貨ETFやデジタル資産商品の制度整備が進展している点にも言及しました。
規制の明確化は、助言者が顧客資産に仮想通貨を組み入れる際の適合性評価、リスク管理設計、開示義務対応などの実務に直接影響すると説明しています。
制度環境の整備が進めば、ETFを通じた機関資金の流入拡大が市場流動性や価格形成メカニズムに影響を及ぼす可能性があるとピーチ氏は指摘しています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=153.33 円)
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Source:CoinDesk報道
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