Ellipticは2026年3月2日に、イラン最大の暗号資産取引所である「Nobitex」からの資金流出に関する分析レポートを公開しました。この報告によると、米国とイスラエルによるイランへの最初の空爆が開始された直後、Nobitexからの暗号資産(仮想通貨)の流出量が700%も急増したとされています。Ellipticは2026年3月2日に、イラン最大の暗号資産取引所である「Nobitex」からの資金流出に関する分析レポートを公開しました。この報告によると、米国とイスラエルによるイランへの最初の空爆が開始された直後、Nobitexからの暗号資産(仮想通貨)の流出量が700%も急増したとされています。

イラン空爆直後に仮想通貨の流出量が700%急増|最大手取引所から資本逃避か

2026/03/03 10:47
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この記事の要点

  • 分析企業Ellipticが2026年3月2日に調査結果を公開
  • イラン空爆直後に最大手取引所の仮想通貨流出が700%急増
  • 制裁回避目的の資本逃避(キャピタルフライト)の可能性
  • ブロックチェーンの透明性が資金追跡を可能にしていると指摘

米・イスラエルによる攻撃開始から数分で資金移動が急増

ブロックチェーン分析企業である「Elliptic」は2026年3月2日に、イラン最大の暗号資産取引所である「Nobitex」からの資金流出に関する分析レポートを公開しました。この報告によると、米国とイスラエルによるイランへの最初の空爆が開始された直後、Nobitexからの暗号資産(仮想通貨)の流出量が700%も急増したとされています。

Ellipticの分析データは、攻撃開始からわずか数分以内にトランザクション量が跳ね上がったことを示しており、軍事衝突の激化に伴い、資産を国外へ退避させようとする動きが即座に発生したことを裏付けています。

この急激な資金移動は、従来の銀行システムを介さない形での「キャピタルフライト(資本逃避)」である可能性が高いと指摘されています。イラン国内の法定通貨であるリアル(Rial)を仮想通貨に変換し、それを国外の取引所や個人のウォレットへと送金することで、国際的な銀行システムの監視網や制裁の影響を回避しようとする試みが見られます。

イラン最大手「Nobitex」の役割と過去の動向

今回焦点となっている「Nobitex」は、イラン国内の仮想通貨エコシステムにおいて極めて重要な位置を占める取引所です。Ellipticのデータによると、Nobitexは2025年だけで72億ドル(約1.13兆円以上)相当の取引を処理しており、ユーザー数は1,100万人を超えるとされています。

また、同取引所はイラン革命防衛隊(IRGC)に関連する金融活動にもリンクしているほか、イラン中央銀行が暴落する法定通貨リアルの価値を支えるためにNobitexを利用している可能性も以前から指摘されていました。

2026年に入ってから確認された資金流出のスパイク

  • 1月9日の大規模デモとインターネット遮断:
    政権に対する大規模なデモが発生し、政府によるインターネット遮断が行われた際にも資金流出のスパイクが観測された。通常、ネット遮断中は取引量が減少するが、それでも一定の流出が確認されたことから、一部の特権的なユーザーは遮断下でも取引所の資産にアクセスできる状態にあったことが示唆されている。
  • 米国の制裁発表直後:
    年初からのデータでは、米国がイランの関係者を標的とした新たな制裁を発表した直後にも、2回の大きな資金流出の波が確認されている。
  • 今回の空爆直後:
    これまでの動きの中でも特に顕著な反応として、攻撃開始直後に700%の流出増が記録された。

制裁回避の手段とブロックチェーンの透明性

Nobitexを利用した資金移動のプロセスは、イラン国内の銀行口座からリアルを入金して仮想通貨を購入し、それを外部のウォレットへ出金するというシンプルなものです。初期の追跡調査によると、Nobitexから流出した資金の多くは、歴史的にイランからの資金流入を受け入れてきた海外の仮想通貨取引所へと送金されていることが判明しています。

仮想通貨は銀行の制限を回避するルートを提供する一方で、ブロックチェーン特有の「透明性」はこうした隠蔽工作を逆に浮き彫りにする性質を持っています。今回Ellipticが資金流出の急増を即座に検知できたように、オンチェーンデータは当局やコンプライアンス専門家に対し、従来の金融モニタリングよりも迅速かつ正確に資金の行き先を追跡する手段を提供しています。

Ellipticのトム・ロビンソン博士(Dr. Tom Robinson)は、「ブロックチェーンの透明性は、制裁回避の試みを明らかにするだけでなく、それらの資金が次にどこへ向かうのかを追跡することを可能にする」と強調しており、地政学的リスクが高まる中での暗号資産の利用実態と、それに対する監視技術の重要性が改めて浮き彫りになったという点でも注目されています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.33円)

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source:Elliptic
サムネイル:AIによる生成画像

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